糖尿病におけるQ&A
- 血液の中のブドウ糖が上昇した状態が慢性的に続くことで、それが原因でるいろいろな組織や臓器障害(合併症)が生じる一連の症候群です。
糖に尿がでる病気というよりは血液の中の糖が高いために問題になる病気と思うと理解しやすいです。
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「こうすれば絶対に一次予防できる」という法則はありませんが、 糖尿病協会理事長である清野裕先生が薦めておられる7ヶ条をあげてみます。
1、バランスのとれた食生活(総エネルギーと脂肪の摂取量に注意)
2、夜食をしない、間食をしない
3、アルコールはほどほどに
4、適正な体重の維持
5、毎日の食後の歩行(30分位)
6、ストレスの解消
7、禁煙または節煙
食事に関して、「多く食べればよいもの」という考え方はあまりありません。 摂取エネルギー(カロリー)がオーバーにならない、脂肪をとりすぎない、食物線維をしっかりとる、規則正しい食生活を守る、多くの品目をバランスよくとる、などが大切です。
- すべての糖尿病が遺伝するわけではありませんが、糖尿病になりやすい体質は遺伝する場合があります。
心配であるようなら年に1〜2回、血糖値や検尿の検査を受けてみていけばいいでしょう。しかし糖尿病になり始めは空腹時の血糖や尿糖は正常の場合があり得ます。 また糖尿病の手前の境界型の状態でも動脈硬化性疾患(脳梗塞や心筋梗塞など)は正常の人より増えるということもわかっています。
糖尿病を早く発見するためには、食後の血糖値を測ってみたり精密検査(75gブドウ糖負荷試験など)を受けることが大切です。
- おしっこの「甘いにおい」が何からきているのか、わかりませんが、一度、受診して、相談されたほうがいいと思います。
もちろん、お酒の量が多いようなのでまずは休肝日を作り1日の飲酒量を減らしていきましょう。なんとか改善するといいですね。
- 尿糖が陽性であれば、糖尿病の疑いがあります、まずは糖尿病かどうかをきちんと血糖値や、HbA1c、ブドウ糖負荷試験などで確認するかどうかが必要です。ちなみに、尿糖+3というのはかなり多いほうですので、放置はしないでください。
また、血糖値が正常なのに尿中に糖が混ざる「腎性糖尿」という体質の人もありますが、この場合は糖尿病とは区別して考えます。これも血液検査を含む精密検査で判定できます。
- 糖尿病から、足のしびれなどが起こるのは、糖尿病の合併症の一つである糖尿病性神経障害を発症することが主な原因です。合併症が起こるまでには、糖尿病になってから最低でも数年以上かかりますから、糖尿病の初期段階でご相談のような症状が起こることは考えにくいです。
しかし、それ以外の異常がないかどうか、また、数年以上前から糖尿病が隠れて進行していた可能性はないのか、など、確認しなければいけない点はいくつかありますので、一度受診された方がいいとおもいます。
また腰痛からくるものや神経の病気からくることもあるので何が原因なのか調べていくのが改善への一歩となります。
- まず、糖尿病の恐ろしい合併症の一つである、糖尿病性網膜症があげられます。糖尿病の治療をおろそかにしたまま放置すると、最悪の場合失明に至ります。
この糖尿病性網膜症は、かなり進行しないと自覚症状が現れません。自分で大丈夫だと思っていても油断せずに、かならず定期的に眼科で検査を受けてください。
- この状態では血清クレアチニンが上昇し、eGFR(糸球体濾過量)も低下しっているのでしょう。腎不全と言われているので糖尿病性腎症4期と思われます。この時期になると、食事療法の目的は、血糖値のコントロールと同時に残った腎機能を保護が大事です。
まず摂取エネルギー制限は腎機能が正常な方に比べると緩和され 蛋白制限の強化 塩分制限の強化、カリウムの制限などがあります。
しかし、具体的な内容は、個々の患者さんの病状によって違いますので、主治医および管理栄養士の担当者によく相談なさって下さい。
食事以外の面では、へとへとに体が疲れてしまうような運動は、かえってマイナスになる恐れがありますが、体調によっては軽い散歩などは大丈夫かも知れません。トレーニングすると言うよりも、体調の維持するための運動と思ってください。
- HbA1cが8.0〜9.5%の間でいるのは、ちょっと悪すぎます。
HbA1c9%台というのは極めてコントロール不良の状態で、主治医の先生からはかなり厳しい事を言われると思います。(すぐにインスリン始めようと言われたり入院を勧められてもおかしくありません)
食事療法はどれくらいできているでしょうか?食事日記や写真を撮って確認していくことも大事ですし、運動の状態、インスリンがどれだけ出ているかも確認してずっと悪い状態を放置するより薬やインスリンも含めて必要な治療をしていきませんか?
主治医とよく相談して自分の生活を検討していく必要があると思います。
- 一般的にはその様に思われている方が多いですが、実際にはいろいろな場合があり得ます。1型糖尿病(インスリン依存状態)の場合には、インスリンによる治療が必須となりますから、一生やめることが出来ないと考えていいでしょう。
2型糖尿病(インスリン非依存状態)でもコントロールの都合によって、インスリンを使用する場合がありますが、血糖コントロールが改善してくると食事運動、経口薬などをうまく組み合わせるとこによってインスリン注射を中止できる場合もよくあります。 気をつけてもらいたいのは血糖コントロールがとても悪いときや手術を控えているときなどで血糖コントロールを進めないといけないとききに感情だけでインスリン注射をしないことは、百害あって一利なしです。
また飲み薬などもそうですが自分で勝手にやめたりはしないようにしていきましょう。